PTSとは?株の時間外取引の仕組み・メリット・注意点を初心者向けに解説

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株式投資をしていると、「PTS」という言葉を目にすることがあります。

PTSとは、通常の証券取引所とは別の場所で株式を売買できる仕組みです。日中だけでなく、証券会社によっては夜間にも株を取引できます。

「株式市場が閉まっているのに、なぜ株を売買できるの?」「PTSを利用すると、通常より有利に株を買えるの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

この記事では、PTSの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、楽天証券で利用する場合の取引時間や注意点まで、初心者向けに解説します。

1. PTSとは?

PTSとは、**Proprietary Trading System(私設取引システム)**の略称です。

簡単にいうと、東京証券取引所などの通常の証券取引所を経由せず、別の取引システムを使って株式を売買する仕組みです。

日本証券業協会も、PTSを取引所のように株式を売買できる私設取引システムとして説明しています。

通常、東京証券取引所の株式取引は、午前9時から午前11時30分、午後0時30分から午後3時30分までです。

一方、PTSでは証券会社が対応していれば、通常の取引時間の前後や夜間にも株を売買できます。

つまり、PTSは「時間外取引」に利用される仕組みですが、PTSそのものが時間外取引だけを意味するわけではありません。日中にも取引が行われています。

2. 通常の株式取引とPTSの違い

通常の株式取引とPTSでは、売買を行う市場が異なります。

比較項目通常の取引所PTS
取引場所東京証券取引所など私設取引システム
取引時間原則9:00~11:30、12:30~15:30証券会社や市場によって異なる
夜間取引原則できない対応している場合は可能
価格取引所の注文状況で決まるPTS市場の注文状況で決まる
取引参加者取引所の参加者PTSの参加者

PTSは通常の取引所とは別の市場なので、同じ銘柄でも株価が異なる場合があります。

例えば、ある会社の株価が東京証券取引所で1,000円だったとしても、PTSでは1,010円や990円で取引されていることがあります。

これは、それぞれの市場で買いたい人と売りたい人の注文状況が異なるためです。

3. PTSの取引時間は何時から何時まで?

PTSの取引時間は、利用する証券会社や取引市場によって異なります。

例えば、2026年10月時点で確認できる主な取引時間は次のとおりです。

楽天証券の場合

楽天証券では、JAXPTSとジャパンネクストPTSを利用できます。

市場日中夜間
JAXPTS8:20~16:0017:00~23:59
ジャパンネクストPTS8:20~16:0017:00~23:59

楽天証券では、夜間取引の注文受付は23時59分までです。

ジャパンネクストPTS自体は翌朝6時まで夜間取引を行っていますが、楽天証券で注文できる時間とは異なるため注意してください。

SBI証券の場合

SBI証券の現物PTS取引時間は、次のとおりです。

取引時間時間
デイタイム8:20~16:30
ナイトタイム17:00~23:59

同じPTSでも、証券会社によって注文を受け付ける時間が異なります。

利用する前に、自分が口座を持っている証券会社の公式情報を確認しましょう。

4. PTSを利用する3つのメリット

メリット① 夜間でも株を売買できる

PTSの大きな特徴は、夜間にも株を売買できることです。

例えば、企業が15時30分の取引終了後に決算発表を行ったとします。

決算内容が市場予想を大きく上回っていた場合、翌営業日の取引開始を待たずにPTSで買い注文を出せる可能性があります。

反対に、業績悪化などの悪いニュースが出た場合には、夜間に売却を検討することもできます。

ただし、売買が成立するかどうかは、注文状況や取扱銘柄によります。

メリット② 通常の取引所とは異なる価格で売買できる

PTSは通常の取引所とは別の市場なので、同じ銘柄でも株価が異なることがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 東京証券取引所:1,000円
  • PTS:990円

この場合、PTSの方が安く買える可能性があります。

ただし、PTSの価格が常に安いわけではありません。通常の取引所より高い場合もあります。

また、価格だけでなく売買の成立しやすさも確認する必要があります。

メリット③ 朝の市場が始まる前にも取引できる

証券会社によっては、通常の取引所が始まる前の午前8時20分からPTSで取引できます。

朝に発表されたニュースや海外市場の動きを確認して、通常の取引所が始まる前に売買を検討できる点が特徴です。

5. PTSを利用する3つのデメリット・注意点

便利なPTSですが、必ずしも通常の取引所より有利とは限りません。

注意点① 売買が成立しにくい場合がある

PTSは通常の取引所と比べて参加者が限られるため、銘柄によっては注文が少ないことがあります。

例えば、1,000円で買いたい人がいても、1,000円で売りたい人がいなければ売買は成立しません。

通常の取引所なら多くの注文が集まっている銘柄でも、PTSでは注文が少ない可能性があります。

このように、売買の成立しやすさを「流動性」といいます。

注意点② 買値と売値の差が広がることがある

株式の注文画面には、買いたい人が提示している価格と、売りたい人が提示している価格が表示されます。

この2つの価格の差を「スプレッド」といいます。

例えば、

  • 最も高い買い注文:990円
  • 最も安い売り注文:1,010円

この場合、価格差は20円です。

PTSでは注文が少ない場合、この価格差が通常の取引所より広がることがあります。

そのため、表示されている株価だけで判断せず、買値と売値の両方を確認することが重要です。

注意点③ 翌営業日の株価が大きく変わる可能性がある

夜間のPTSで株価が上昇していても、翌朝の東京証券取引所で同じ価格になるとは限りません。

例えば、ある企業の決算発表を受けてPTSで株価が10%上昇したとします。

しかし、翌朝になって市場全体が急落したり、新しいニュースが出たりすれば、東京証券取引所での株価はPTSとは異なる動きをする可能性があります。

PTSの価格だけを見て、翌日の株価を予測するのは危険です。

6. 楽天証券でPTS取引をする方法

楽天証券を利用している場合、PTS取引を利用できます。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 楽天証券にログインする。
  2. 国内株式の注文画面を開く。
  3. 売買したい銘柄を選ぶ。
  4. 注文画面で市場をPTSに指定する。
  5. 指値と株数を入力する。
  6. 注文内容を確認して発注する。

楽天証券のPTS注文では、原則として指値注文を利用します。成行注文や逆指値注文には対応していません。

また、注文の有効期限は「本日中」です。夜間取引の注文も23時59分までに約定しなければ取り消されます。

PTSの対象銘柄は限定されており、東京証券取引所で売買できる銘柄でもPTSでは取引できない場合があります。

なお、楽天証券ではPTS注文に追加の手数料はかからず、選択している手数料コースが適用されます。

7. PTSは初心者でも使うべき?

PTSは、株式市場が閉まった後にも売買できる便利な仕組みです。

しかし、初心者が積極的に利用する必要があるとは限りません。

特に、長期投資を目的としている場合、夜間の株価変動に反応して頻繁に売買するよりも、企業の業績や長期的な成長性を確認することが大切です。

PTSを利用する場合は、次の点を意識しましょう。

  • 通常の取引所とPTSの株価を比較する。
  • 買値と売値の差を確認する。
  • 注文数量や売買の成立しやすさを確認する。
  • 夜間の株価が翌日の株価と同じになるとは考えない。
  • 取引時間や注文条件を証券会社の公式情報で確認する。

PTSは、使い方を理解すれば投資の選択肢を広げられる仕組みです。

ただし、PTSで取引できるからといって、必ず有利な価格で売買できるわけではありません。

まずは仕組みを理解し、通常の取引所との違いを確認してから利用するようにしましょう。

まとめ

PTSとは、通常の証券取引所とは別のシステムで株式を売買できる「私設取引システム」のことです。

証券会社によっては夜間にも取引できるため、仕事などで日中に株式市場を確認できない人にとって便利な仕組みです。

一方で、通常の取引所より注文が少なく、価格差が広がったり、売買が成立しにくくなったりする可能性もあります。

PTSを利用する際は、株価だけでなく注文状況や価格差も確認し、自分の投資方針に合った使い方を心がけましょう。

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